201701.26
中古マンションを購入してリフォームして自分なりの空間に仕上げ「住みやすい空間」にして、居住するスタイルが増えています。新築マンションを購入するよりもリーズナブルな費用で、オリジナルな居住空間ができあがるため注目されています。
ただ、中古マンションは戸建住宅とは違う制約がいくつかあるということを念頭において物件探しをしておくことがポイント。
そんな中でもエアコン関係のチェックも忘れずに。購入後に「エアコンが取り付けられなかった」ということもあります。
中古マンション購入前には、エアコンのスリーブをチェックしておくと良いと言われることが多いです。
でも、エアコンのスリーブとはそもそも何なのでしょう。エアコンを取り付けるためには、室内機である本体と室外機をつなぐための穴が必要です。その穴の中には、室内のエアコン本体と室外機が配線や水分を外に排出するダクトで結ばれています。
しかし、この配線などが壁の中で露出しているのは次のような危険があります。
・壁の中には金属部分もあり配線と接触してしまい漏電の可能性が高まる
・エアコンを使用している時に室外機の背面の壁の中の空洞で、温度差による結露が起きてしまう
・壁の内部にネズミが入ってしまうと配線をかじって漏電させるリスクを伴う
これをさけるために、配線部分を保護する筒状のカバーを通します。これを「貫通スリーブ」と言います。
貫通スリーブは建物の設計段階で、どの位置にエアコンを設置するかということが決まっていて、建物の内部の重要部分である筋かいや柱などを避けて穴があけられます。ただし、この貫通スリーブがない状態では、後から穴があけられないことがあります。
築年数が古い中古マンションの場合には、各部屋にもともとエアコンが取り付けられていないケースが多いかもしれません。
そのため、エアコンのスリーブがない場合には、購入後に取り付けようとしても管理組合からNGが出ることが多いでしょう。
また室外機を設置できる場所があるかどうかも購入前に確認が必要です。
例えばリビングにはエアコンスリーブの穴が開けられていても、廊下側の部屋などにはスリーブが設けられておらず、また室外機を設置する場所がないことから、そもそもエアコンの設置が「不可」とされていることもあります。
築年数が30年ほど前の時代には、現在との建築基準法の違いもあり廊下の幅が狭かったものです。温暖化が進んだ現代はエアコンは必須なものですが、30年以上前では生活に欠かせないものというほどのものではなかったのです。
そういった、構造上の問題がクリアできないこともあり、購入後にエアコンを増設したいと考えても不可とされてしまうことも多いのが現状です。穴があいていない壁のマンションだった場合、管理組合から「穴あけはNG」と言われてしまっては、いくら頼んでもエアコン設置は不可能です。
エアコンは、冷蔵庫やテレビなどの家電と違って配置してコンセントを差し込むだけですぐ使えるというものではありません。また、電源工事も伴いエアコンを購入しても使うためには「工事」をしなければならないのです。
しかし工事をする以前に設置が不可能となってしまうのが、エアコンの貫通スリーブの穴の有無によるものです。
築年数の古いマンションでは電気の容量が30アンペア程度の物件が結構多いです。シングルで暮らす場合にはあまり問題ないかもしれませんが、ファミリーではアンペア数が不足している可能性もあります。エアコンと同時に、IHクッキングヒーターの導入を検討している場合にはアンペア数が足りない可能性も出てきてしまいます。
通常、マンションの場合、建物自体の電気供給量が初めから決まっているため、アンペア数を増やすことは難しい場合もあります。
物件選びの段階ではなかなか気づかない点も多いですが、リフォームを見据えている場合には、マンションの構造、希望のリフォームが可能かどうか、管理規約で定められている部分など疑問に思った場合には確認しておくことが重要とも言えます。
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