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201601.08
競売マンションの購入は、一種の「中古マンション」の購入と同じように考えるべき部分があります。
新築マンションの場合は立地・工法・マンションブランドなどの条件と価格を照らしあわせて考えればよいのですが、競売マンションの場合だと中古マンションの場合と同様に「どのような人が居住していたのか」「部屋をどのように利用していたのか」という、資産価値への変動要素があるからです。
そのような点を踏まえて競売マンションの物件選びの際、どのようなことに注意すれば失敗しないで済むのでしょうか?
自分の居住用にせよ、投資目的にせよ、マンション選びに失敗すればその損失はただちに自分にはね返ってきますので、特に競売物件の場合、競売コンサルタントなどのプロのサポートを受けるのが無難でしょう。
とはいえ、何もかも他人任せでは効果的な資産形成はできません。購入にともなう責任は自分が負うのですから、自分が納得したうえで最終決断を下したいものです。
まず、競売物件選びの基本は「3点セット」といわれる「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」の確認から始まります。
物件明細書で面積などの基本事項や権利関係を確認し、現況調査報告書で執行官の立入検査の結果を確認します。図面や内部写真などもある程度は掲載されていますので、注意深く観察しましょう。
また、評価書には不動産鑑定士による対象不動産の評価額(正常価格から30%程度減額されたもの)が記載されています。後述しますが、この評価額を鵜呑みにするのではなく、「なぜこの金額に評価されたのか?」を疑うことも非常に重要です。
3点セットの確認が終わったら、現地に足を運んで調査をしましょう。
現地調査で大切なのは、現況調査報告書の裏取りです。居住者や占有者がいないことになっていても、執行官の立入検査以降に誰かが占有した可能性もあります。ベランダの洗濯物や窓のカーテンの有無・郵便受けの状況など、法律に触れない範囲で生活の痕跡がないか観察しましょう。
もし会えるのなら、マンションの管理人、管理組合の責任者などにも会って話を聞きましょう。執行官が聞き漏らしたことや、検査後の状況の変化といった生の最新情報が入手できるかもしれません(ただし、マンションの資産価値が下がるような情報は期待しない方がいいでしょう)。
なお、マンション管理費や修繕積立金の滞納の有無(多くの場合、滞納があります)だけはしっかり確認しておく必要があります。こういった前所有者の債務(管理組合の債権)は買受人(特定継承人)に対して請求の権利があるからです。
物件の調査が終わったら、物件の周辺を散策したり、最寄り駅までの交通手段を調べてみたりしましょう。環境の良し悪しやそのエリアの雰囲気も物件の資産価値を大きく左右します。
また、最寄り駅周辺には不動産業者の店舗がいくつかあるでしょう。不動産業者で、対象不動産に近いエリアで売りに出されている中古マンション物件がどれぐらいの相場なのかを調べておくと、対象不動産の評価額がどの程度安いのかが実感できます。相場から想定される評価額よりも大幅に安く設定されている場合は、「何か他の減額要素があるのでは・・・?」と推定できるでしょう。
こうした現地調査によって、「この物件に入札するべきか? 入札額はどの程度が妥当と思われるか?」といったおよその意思決定ができるはずです。しかし、そこで終わるべきではありません。
3点セットの情報と自分なりの調査結果、そして現時点での自分の判断結果を、競売コンサルタントや競売コンシェルジュといったプロに見せてアドバイスをもらいましょう。
競売のプロは不動産業界の横のつながりから、一般人が入手できない深い情報を収集する能力に長けています。また一般人が陥りがちな法律上の盲点に関わるミスの防止、発生するかもしれないトラブルの予測といったスキルも持ちあわせています。また、欲しい競売物件を高い確率で落札する方法も教えてくれるはずです。
自分で納得いくまで調べ、そのうえでプロのサポートを受ける。これが、競売物件を購入する時に失敗しないための最善の予防策ではないでしょうか。
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