201601.08
競売マンションや中古マンションを安く購入し、自分のライフスタイルや好みに合わせてリフォーム/リノベーションする。そんな賢いユーザーが増えています。しかし、マンションの構造上の制約によって、「どんなリフォームでも自由自在」というわけにはいかない場合があります。
そこで、リフォーム/リノベーションを前提にマンションを購入する時、物件によってどのような制約が考えられるのかについてまとめてみました。
マンションにはいろいろな「造り」や「構造」があります。この違いによって、物理的に可能なリフォーム/リノベーションの範囲が異なります。
RC造・・・鉄筋コンクリート造。Reinforced-Concrete(補強されたコンクリート)の略で、マンションの構造としてはもっぱらポピュラーなものです。鉄筋を組み、型枠にコンクリートを流し込んで固めるという工法で、鉄とコンクリートの熱膨張率がほぼ等しいという特性を利用して、建物の強度を高めています。リフォームに際して、間仕切りのベニヤや石膏ボードなどは外せますが、構造体である壁は加工できません。
S造・・・鉄骨造。建物の骨組みを鉄骨でつくり、パネルをとりつけて天井や外壁を構築します。RC同様、ベニヤや石膏ボードなどは外せますが、ブレース(筋交い)は外せません。また、壁材のコンクリート部分は加工できません。
SRC造・・・鉄筋コンクリートの芯に鉄骨を組み込んだ構造で、RCとSの長所を併せ持ちますが、建築コストがやや割高です。構造壁のない、大空間をつくりやすい造りです。
なお、RC造・SRC造には、主に次のような構造が採用されています。
ラーメン構造・・・「ラーメン」はドイツ語で「額縁」の意。柱と梁の接点を接合することで、建物を「枠」で支えます。そのため、建物内に構造壁を作らなくても強度が維持でき、リフォーム/リノベーションの自由度が高いという特長があります。
壁式構造・・・壁や床などに強度の高い平面材を用い、建物内に柱や梁型を作らず強度を維持します。構造物の内部がスッキリして使いやすいのですが、内部に構造壁を設ける必要があり、間取りを変更するような大規模なリノベーションはできません。
マンションの床は、床スラブ(床を支える構造体)の上に直接床仕上げ材を張った「直床(じかゆか)」と、床スラブの上に空間をつくり、その上に床下地材と床仕上げ材を乗せる「二重床」の2種類があります。
二重床の場合、床スラブと床の間の空間に排水管を配管できるので、リフォームで水回りの移動もしやすくなっています。それに対し、直床では排水管が床スラブを貫通して、下の階の天井裏を通って共有の下水管につながっているため、水回りの移動は大きな制約を受けます。
なお、マンションのような集合住宅は共用部分と専用部分に分かれており、リフォームできる範囲は専有部分に限られています。コンクリートの構造躯体、パイプスペース、玄関ドアの外側、サッシ、バルコニーは共用部分にあたるため、リフォームや変更はできません。
リフォーム工事については、マンションの管理組合規約で制約が設けられている場合があります。あらかじめ規約を確認しておきましょう。また、工事で近隣に迷惑をかけることのないよう、十分な配慮が必要です。
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