201511.26
中古マンションを購入して、個性のある空間にリフォームすることは、これから長年暮らしていくために必要なことでもあるでしょう。しかし、一口に「リフォーム」と言いますが、戸建住宅のリフォームとは違い、マンションでは注意する点があるので思い描いているように簡単ではないことが多いのです。
リフォームをより良いものにしていくには、「マンションのリフォーム」について知っておきたい点をおさえておきましょう。
マンションはひとつの建物内に複数の世帯が入居しています。そのため、専有部分と共用部分とに分けられていることを把握しておく必要があります。
◎専有部分
基本的には玄関を入ってからの居住スペースは「専有部分」となっているため、個人で自由にできる部分となります。内壁、キッチン、トイレ、浴室、部屋等の居住スペースがそれです。また気をつけなければならないのが、玄関ドアについて。実は、内側部分は専有部分ですが、外側部分が共用部分。そのため、玄関ドアを交換したりするリフォームはNGなのです。また、いくら専有部分であっても、マンションの構造状況によって規制されるリフォームもあるので事前に確認が必要です。
◎共用部分
専有部分以外はすべて共有部分となります。建物のマンションのエントランス、廊下、外壁が共用部分ということを知っている人は多いですが、注意したいのは「外壁」「バルコニー」「サッシ」「玄関ドア(外側部分)」もすべて共用部分だということ。これらはリフォームが不可なので気をつけましょう。
大多数のマンションは鉄筋コンクリート造です。そして、以下の2種類の構造に分類されます。
まずはラーメン構造。こちらは柱と梁が建物の荷重を支えている構造で、多くのマンションに採用されています。そのため、間取変更などで壁を撤去するリフォームなども比較的自由に行えます。
一方、厚い壁や天井などが建物を支えている壁式構造ですが、建物の重要な部分ですから撤去することは不可能です。ただし、造作壁の部分に関していうと建物の荷重とは関係ないため、撤去が可能となっています。
<水まわりの位置移動について>
排水管の位置の関係で、水まわりのリフォームが制限されることもあります。同位置での設備の入れ替えは問題ありませんが、位置を移動するなど配管の変更を伴う場合は注意が必要となっています。
<玄関扉の交換について>
玄関ドアの外側は共有部分です。そのため、玄関ドアそのものの交換はできません。ただし、玄関ドアの内側部分は専有部分ですので、塗装などによる色の変更などは可能です。
<内装のリフォーム>
クロスの変更は自由にリフォームができます。また、開き戸を引き戸にしたりするのも特に問題ありません。
<床材の変更>
フローリングでは材質がマンションの管理規約に定められていることがあります。また、防音の問題から周囲の住民の許可が必要なこともあります。
<サッシの交換はNG>
前述しましたが、サッシ部分は共用部分となっています。そのため、交換することはできません。ただし、断熱性を高めるために内側部分にサッシをプラスすることはできます。
<間取変更のリフォームは?>
建物の強度を支えている部分は、専有部分の中にあっても共用部分と考えられます。そのため、間取を変更するためや部屋を広くするために柱を撤去したりすることには十分な確認が必要です。
専有部分だからと言って、自由にリフォームできるわけではありません。そのマンションの管理組合で、リフォームについて細かい規約が定められています。管理規約に沿ったリフォームをしておかないと、後々トラブルとなることもあります。そのため、リフォームをしようと考えた場合には、まず管理規約の確認をすることが必要となります。
戸建住宅のリフォーム同様、リフォームの工事の前の近隣あいさつは重要です。特に、共用部分があるマンションのリフォームでは、事前に上下階の部屋、両隣の部屋の方には細かい気配りをしなければなりません。
工事が始まると騒音、ホコリ、資材搬入などでご迷惑をかけてしまう可能性があります。大多数のリフォーム業者は工事前の近隣あいさつを行ってくれるものですが、今後、長い付き合いとなる近隣の方々へのあいさつは自分からもしておくのが理想といえます。
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